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借りることについて

街中で古いモデルの黒いベンツを見かけると、K君を思い出す。

正確にはK君の父親の顔だ。

小学生の頃は、とある少年団に所属していた。
土曜か日曜には対外試合が組まれる。

ある時期から、大人の事情でチームのマイクロバスが使用できなくなり、
お父さん達が交代で試合会場まで自家用車で送り迎えをしていたのだ。

D君の家の車はカローラ。M君の家の車はハイエース。

K君のお父さんの愛車はベンツだった。

試合を終えた僕たちは、砂埃を被ったカラーコーンを
黒いピカピカの車の荷台へと運び入れる。

荷台は思ったより狭く、扉は半開きのままで移動することになった。
(パトカーに怒られるような事態にはならなかった。長閑な時代だった)

苦笑いを浮かべたK君のお父さんの表情は、今でも絵に描ける。

今はカーシェア会社への事前の登録と予約さえあれば、スマートフォンさえあれば、
東京でも、大阪でも、沖縄でも、どこででも安価に車が借りられる。

プリウスだって、BMDだって、数千円出せば近くの駐車場に寄って、借りてくることができる。

家族を乗せて、あるいは一人でドライブを楽しみながらいつも思う。

なんと便利な時代になったのだろう。

でも、僕は知っている。
この車は、ボクの車では、ないのだ。

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何より大事なのは、人生を楽しむこと。
幸せを感じること、それだけです。

《オードリー・ヘップバーン》

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