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社宅(シャタク)に棲む

大学時代の友人から「週末、ウチに来てみないか」とお誘いを受けた。

たまの休日に他人が訪ねてきては奥方に申し訳ない、という思いが過ったものの、家族を持った旧友の暮らしぶりへの興味が勝って、受けることにした。

連れてきた息子は、挨拶もそこそこに少し歳の離れたこの家のお兄ちゃん達と遊んでいる。図鑑を観ながらあれやこれや言っている。

都内の好立地にありながら、80㎡そこそこで家賃2万円だという。

エレベーター設備などの無い所謂”集合住宅”というものではあったが、広々とした敷地ではどこかの家の女の子が縄跳びをやっている(アレは”綾跳び”だ、、懐かしい)。

春になれば(それこそ雑多な)花が咲き、蜜を狙って虫たちが来るだろう。現代のマンションがどこかに忘れてきた何かがここには残っている。

隣室はもちろん、上も下も同僚なんだから、そりゃ気を使うこともあるけどね、と友人は笑った。

息子たちはいつの間にか虫かごを抱えている。トカゲを探しにいくのだという。こんな真冬に?

まぁ、好きにしたら、と新米の父たちは笑った。