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クラクションを撤廃したら

老人が横断歩道を渡っている。

彼が道路の半ばに差し掛かった頃、信号機は既に警告のためのチカチカを辺りに撒き散らしている。

乗用車のドライバーたちは、信号が変わる前からイライラした様子でハンドルに手を掛け、列をなしている。

やがてあの耳障りな警告音が、いくつかの車から発せられるだろう。

ドライバー達の顔前に備え付けられたこの怒りの増幅器、この世界に必要ですか?

あんな甲高い音じゃなくて、ゾウやウマ、ヒツジなどの啼き声にしてみたらどうかな、なんて思ったりして。

もう少しハッピーな世の中に、なりませんかね?

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お茶請けとしての純黒糖

奄美の純黒糖を手に入れた(こう書くと『ドラゴンクエスト』みたいだが)。

地方のアンテナショップのようなお店でランチをした際、食後の紅茶のお茶請けとして出てきたのが純黒糖。お土産として買って帰りたいと申し出たのだが、あいにく品切れ。Amazonで評価が高かった品を注文すると、3日で届いた。

砂糖はコーヒーや紅茶に入れるものという先入観があったが、アンテナショップのプレゼンテーションを手本に、お茶を飲んでは齧る、お茶を飲んでは齧る、という楽しみ方。

当然、糖なので甘みも十分で、口に含むと脳が喜んでいるのがわかる。また、黒糖を合間に齧ることで、茶やコーヒーの苦味・うま味が引き立つ。

おまけに純黒糖は栄養価が高く、とりわけミネラルが豊富とのこと。

カロリーもそれなりにあるようなので、もちろん摂り過ぎ注意、ですが。

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床屋と三色ポールの生きる道

小さい頃、髪を切るときはいつも父と一緒だった。

決まって日曜日の夕方だったと思う。

父の自転車の後ろに乗せられて床屋に向かう。

僕は無言のまま店に入り、ピチッとした髪型のおじさん(いつも同じおじさんだった)にワシワシと髪を切られる。

髪型をこちらから指定した記憶はないが、父が何かしら事前に注文していたか、そもそも小さい男の子にはこの髪型というデフォルト設定みたいなものがあったのだろう。

洗髪器に頭を突っ込まれた後は、顔にモクモクした生温かいクリームを塗られ、髭を剃る工程に入る。ヒゲなんて、生えてたっけな?

全てが終わると、父の髪を切っていた怖い顔のおじさん(この人もいつも同じだった)が、坊や、と言って”どんぐりガム”を1つ渡してくれる。父はニカッと笑う。

街中で三色ポールを見掛けると、記憶の中の甘ったるい匂いとともに、帰りの自転車で見た父の背中を思い出す。

それから無性にどんぐりガムが食べたくなるのだ。