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朝ごはんは、宿で一番最後に口にするものだから

録りためていたNHKの『美の壺』を観た。

File412は、宿の朝食

若い時分から暇を見つけては夜行列車や鈍行に乗って旅をしてきたが、一番の楽しみは宿の朝食だった。

大してお金のない時代から、宿は少し贅沢をした。自分の脚でたっぷりと町歩きを堪能したら畳の上の布団でぐっすりと眠るのだ。

朝、部屋食の時間までぼーっとしていると、仲居さんが僕のためにせっせと朝ごはんの支度を整えてくれる。

おかずは沢山は要らない。

炊きたてのご飯に小さめの鮭の切り身とお新香と味噌汁があればいい。

白いご飯をあっという間に平らげてしまうと、仲居さんが「おかわり、お持ちしましょうか」とにっこりと微笑む。

…なんてことをテレビの前で思い出していると、この番組を前にも観たことがあることに気付く。再放送なのだ。

読書と同じで、良い作品は、何度味わっても良い。

やはり宿の朝食には湯気が立っていないといけない。

美しい飯が器に盛られるシーンというのは、僕たちのような健啖家にとっては危険過ぎる。

朝ごはんは、宿で一番最後に口にするものだから」への4件のフィードバック

  1. 秋月 耕さん
    文章がイイ流れをしてますねぇ~…私は好きですね。
    私は歳を取った所為で、二・三度読み、二・三度観をするようになりましたね。
    若い時は全くしませんでした…好きな内容や場面は鮮明に覚えていたからです。
    でも、忘れることができるから、生きていけるんだとも言われますよね。

    いいね

    1. simple10さん、ありがとうございます。
      私もこの頃は繰り返し読むことの楽しみを覚えてきました。
      >忘れることができるから生きていける
      まさにそうだと思います。勿論忘れたくても忘れられないものもありますが。

      いいね

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