子どもが産まれたら、初めてのクリスマスプレゼントは絵本にしようと決めていた。
妻にとっても、小さい頃に読んでいた思い出の本だと聞いて、迷わずこれにした。
0歳の赤ん坊に与えるには勿論まだ早かったけれど、やがて自分でページを手繰るようになり、月日を重ねるごとに好きなシーンが変わってくる。
やがて恋のくだりやお別れのくだりについて説明を求められる日が来るだろうか。
今の彼のお気に入りは木のぼりのページ。靴を脱いで木にしがみつく少年を見てキャッキャ言っている。
いつか、本物の大きな木に登らせてあげたい。
僕には木のぼりをした思い出なんてないのだけれど。
『大きな木』
シェル・シルヴァスタイン (村上春樹 訳)