バスを降りる。
知らない町の知らない停留所で降りるときは、いつも少しだけ緊張する。
顔を上げると、目の前が採れたて野菜の直売所になっていて、汗だくのお兄さんが旨そうな梨を大量に買い込んで車で去っていった。
一玉でも構わないかと尋ねると、構わない、もしかして食べていくのか、だったら少し待っていろ、と言って奥へ梨を洗いに行ってくれた。
果物は皮ごと食べたいので、採れたてをガブリが何よりおいしい。
そういえば品種くらい聞いておけばよかったなと後で後悔したけれど、夏の思い出としてはそういうのもありかなと思ったりした。