Living

夏の終わりと、祖母の庭と

この国の夏は、お盆があり、終戦の日があり、死者の季節とも呼ばれるらしい。

僕にとっての夏は、母方の祖母と結びついている。

小さな頃は、毎年夏は母に連れられて田舎にある祖母の家で過ごした。

物心ついた頃には祖父は既に亡くなっていたので僕は”おばあちゃんの家”と呼んでいた。

庭にビニールプールを出してもらったり、まだ結婚前で実家暮らしをしていた叔父 (大きいお兄ちゃん) と虫捕りをして遊んだ。

祖母が亡くなった年の夏、まだ学生だった僕は墓参りを兼ねて祖母の家を片付けるために父と母と出掛けた。

ひと通り作業を終えてしまうと、なんだかこの家が本当に空っぽになってしまったような気がした。

父と母は、畳の上に座って庭を眺めながら何か話をしている。

少し散歩してくるよと両親に伝え、隣地に広がる小さな公園に向かって歩いた。

昔はここから洗濯物を干している祖母が見えたんだけどな。

あぁ、僕のおばあちゃんはもう、この世にはいないんだな。

声をあげて泣いた。

そろそろオトナにならないといけないなと、そのときに思った。

夏の終わりと、祖母の庭と」への2件のフィードバック

    1. ウィブリーさん、ありがとうございます。
      私の場合、病院に通い弱っていく祖母を見ていましたので心の準備はどこかでできているつもりでいましたが、そうではなかったですね。今でも本当の意味で心の折り合いを付けられているかというと正直わかりません。

      いいね

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