
たとえばコレを目の前に積まれたら
やり過ごせる自信はない。
たとえばコレを目の前に積まれたら
やり過ごせる自信はない。
-誇り高い人間になれよ…これだけは約束してくれ
お前はドイツ人だ-
手塚治虫 『アドルフに告ぐ』
父親が死ぬ場面でこれほど泣けない物語もない。
カウフマン氏と同じように子を持つ父として、子には誇り高くあって欲しいと願うのはわかるけれど、何かを犠牲にした「絶対的な忠誠」というものが、現代を生きる僕にはやっぱり理解できない。
この拒否反応は、悲惨な戦争を経験した民族の (子孫としての) せめてもの学習効果なのだろうか。
まもなく死を迎える父親と接するアドルフ少年の心理描写をみながら、あらためて手塚作品を読み返してみたくなった。