Lectio

しかし蝶は知っている。

小さく白い蝶のむれが、もみじの幹からすみれ花の近くに舞って来た。

もみじもやや赤く小さい若芽をひらこうとするところで、その蝶たちの舞の白はあざやかだった。

二株のすみれの葉と花も、もみじの幹の新しい青色のこけに、ほのかな影をうつしていた。

花ぐもりぎみの、やわらかい春の日であった-

川端 康成 『古都』

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