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この土地の人はこの綺麗な川に、なぜ鮎を放流しないのだろう

-井荻村へ引越して来た当時、川南の善福寺川は綺麗に澄んだ流れであった。

清冽 (せいれつ) な感じであった。知らない者は川の水を飲むかもしれなかった。

川堤は平らで田圃のなかに続く平凡な草堤だが、いつも水量が川幅いっぱいで、

昆布のように長っぽそい水草が流れにそよぎ、金魚藻に似た藻草や、河骨 (こうほね) のような丸葉の水草なども生えていた-

井伏鱒二 『善福寺川』

「知らない者は川の水を飲むかもしれなかった」のところが好き。

GastronomieLiving

あんみつ (言いたいだけ)

味覚は母親に似ると聞く。

僕は小さい頃からどちらかというと甘味よりは煎餅や煮干しや海苔みたいな渋めのものが好きで、餡子 (あんこ) のような、いかにもという甘い和菓子は殆ど食べれなかった。

それが結婚して家庭を持ったくらいの頃から徐々に甘いものを欲するようになってきていて、先日実家で出されたお茶菓子を食べながら母にそれを伝えてみると

「私もそうなの。若い頃はこういうの全然食べれなかったんだけど、結婚したくらいから急に好きになってきたの。不思議ね」と返ってきて

なるほど、そういうところまで似るものかなんてやけに感心してしまった。