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この土地の人はこの綺麗な川に、なぜ鮎を放流しないのだろう

-井荻村へ引越して来た当時、川南の善福寺川は綺麗に澄んだ流れであった。

清冽 (せいれつ) な感じであった。知らない者は川の水を飲むかもしれなかった。

川堤は平らで田圃のなかに続く平凡な草堤だが、いつも水量が川幅いっぱいで、

昆布のように長っぽそい水草が流れにそよぎ、金魚藻に似た藻草や、河骨 (こうほね) のような丸葉の水草なども生えていた-

井伏鱒二 『善福寺川』

「知らない者は川の水を飲むかもしれなかった」のところが好き。

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