GastronomieStyle

長い眠りにつく前に

ふと思い立って、朝いちばんの電車に飛び乗って成田山新勝寺にお参りに行く。

初めて訪れる門前町は、こんな時代でも多くの人を惹きつけるらしい。

自分もこの一年の感謝と来年への願いを込めて手を合わせる。

なんとなく清らかな気持ちで参道を歩いていると、だんだんお腹が空いてくる。

「天然ものの鰻は冬眠の前に栄養を溜め込むから本当は秋冬がおいしいんだよ」みたいな話をどこかで聞いたことを思い出して、なるほどそうかと頷いてみる。

養殖が主流になった現代でも同じことが言えるのか良くわからないけれど、言われてみれば秋冬に食べる鰻もまたふっくらとしていておいしい(ような気がする)。

冬眠はしないまでも、年末年始にぬくぬくゴロゴロしようと考えている自分がおいしいものを食べて栄養を溜め込んでいる。

人間も、鰻も、たぶん他の生きものも、この時期は大体似たようなものなんじゃないかな。

GastronomieStyle

喫茶店のホットケーキ

どこかでコーヒーが飲みたい、飲みたい、と考えながら散歩していると、近くにホットケーキとブレンドのセットが評判のお店があることを思い出す。

喫茶店の良いところは、カウンターが広々と取られているお店が多く、ひとりで入っても誰かと話すことを強いられない適度な自由さが感じられるところかなと思う。

お店自慢の珈琲を頂きながら、ときどき、目の前の鉄板で焼かれるホットケーキに目をやる。

バターを乗せて、シロップをかけて、熱々の生地にナイフを入れるところを想像しながら、読みかけた文庫を鞄にしまう。

LivingStyle

アリーナの楽しみ

アルバルク東京のホームゲームのチケットを頂いたので長男と観戦に。

代々木体育館って勝手に呼んでいたのだけど、国立 “代々木競技場” だということに今になって気付く。

めずらしく早めに会場入りできたので、途中で見つけたハーゲンダッツを食べながらパンフレットに目を通す。

ゲームまで少し時間があるので探検を兼ねて場内を散歩。息子はホストチームの名前の入ったペンライトを持ってホクホクしている。

アリーナで大きなゲームを観戦するのは何年振りだろう。

コートで戦っている選手たちが発する声やシューズの音、一緒に観戦する人たちの熱気、ノリの良いBGM、クォーター毎のプチイベント。皆で見つめるスコアボード。

バーチャルも良いけれど、生身の、フィジカルな人間同士のぶつかり合いってやっぱり迫力があって、夜眠るまで心地よい興奮が残っていた。