Gastronomie

串カツの中身

雨模様の日は近所のお弁当屋さんに行くことが多くなってきた。

子どもの頃に父がよく頼んでいた串カツなるものを見つけて頼んでみたが、これが大正解。

玉葱をおいしいと感じられる大人になれて良かった。

Lectio

ヨーロッパにおける難局は、ひとつには労働者が、自分のつくった製品を買うべきことを期待されていない点にある。

-そしてもし日用品をつくっているなら、自社の労働者は彼の最良の顧客の一部である。

我が社は社内に、つまり、私たちが直接賃金わ支払っている人々のうちに、約二〇万人の第一級の顧客を有している。

さらに、我が社の資材購入先で働いている人々のうちに、日々さらに多くの顧客を有している。

ヘンリー・フォード 『藁のハンドル』

Lectio

そしてそれから私の話したことは嘘ばかりです。

-「私の家 (うち) は京の三条通りなんです。横町は松原通りです。」

松原も三条も東西の通りですが、私はこんなことを云ってました。

「そして家の左の方は加茂川なのです。綺麗な川なのですよ、白い石が充満 (いっぱい) あってね、銀のような水が流れているのです。東山も西山も北山も映ります。八阪の塔だの、東寺の塔だの、知恩院だの、金閣寺だの銀閣寺だのがきらきらと映ります。」

「まあそんなにいいとこだすか。」

「ええ、家の裏の木戸を開けて、石段を下りて、それから小い橋をとんとんと踏んで行くと、河原なのです。河原は夏なんか涼しくってねえ。」

与謝野晶子 『嘘』

級友たちが代わる代わる継母 (ままはは) の厭な話をする毎日に飽き飽きしていた著者が、ある日突然「今迄隠していましたけれど。」と嘘の物語をするという話。

なぜだか、ぐいぐいと引き込まれてしまった。

Lectio

私の過去を訐 (あば) いても

「私は過去の因果で、人を疑りつけている。だから実はあなたも疑っている。

しかしどうもあなただけは疑りたくない。あなたは疑るにはあまりに単純すぎるようだ。

私は死ぬ前にたった一人で好いから、他 (ひと) を信用して死にたいと思っている。

あなたはそのたった一人になれますか。なってくれますか。あなたははらの底から真面目ですか」

夏目漱石 『こころ』

Gastronomie

持ち帰る

これほどテイクアウトに頼った生活というのも記憶にないけれど

日々、発見もある。

冷めてもおいしいもの。冷ました方がおいしいもの。やっぱり熱々で食べたいもの。

自分の好みについてこれほど気付かされる日々は今までなかった。

Lectio

だから勤労とは別の、生活の場所でも、自分がここにいる理由、いていい理由、いなければならない理由を見失うということはなかった。

- 「勤労」以前の「家業」のような、土地に根を下ろした生業 (なりわい) には、専門の技術者たちによる分業のシステムが差し込まれていないので、

単一の仕事に従事することはまだふつうのことではなかった。いいかえると、だれもが複数の技を身につけていた。

仕事の合間に、近所の人に家や備品の修繕を頼むとか、魚を捌いてもらうとか、

さまざまの技術を提供しあうということが、暮らしのふつうの風景としてあった-

伊藤洋志 『ナリワイをつくる』

鷲田清一 / 解説 「なりわひ」と「なかなひ」

Living

モノの値段

妻か母にプレゼントするとき以外に花の値段というものをあまり意識する機会がなかったのだけど

あらためて見ると、花ってこんなに安価で手に入るんだなと驚いた。

生産者が丹精込めて育てたリーガーベコニアが一鉢350円とかで取引されていても、これに関わる人々の生活がちゃんと成り立つものなんだなと。

(もちろん育ててる花は一種類じゃなかったり、生産量が多いところもあるだろうけど、果たして生産者の取り分は?物流会社や花屋さんの取り分は?)

業務用で儲けが出るんだよ、とか、あるいは一般消費者向けの方が実は利幅は大きいんだよとかあるのかな。

いずれにしても、このところ花屋を覗いてる人が増えた気がして、なぜかちょっと嬉しい。