Lectio

家にいるのがいやだとて 大きな邸 (やしき) をあとにして 何度も表へ飛びだすが、さて表でも一向におもしろくないというので、舞い戻ってござる。

-こういったお歴々の若いときは、筋肉力と生殖力とにいっさいの尻拭いをさせることになる。

けれども後になると、残っているのは精神的能力だけである。こうなった場合に精神的能力に不足があったり、あるいはその発達が足りなくてその活動に必要な材料の蓄積が乏しかったりすれば、嘆きは大きい。

もはや意思だけが汲めども尽きぬ唯一の力となるから、今度は意思が情熱の興奮によって、たとえば例の不名誉極まる罪悪たる大がかりな運勝負によって、かき立てられる-

ショーペンハウアー 『人のあり方について』

IdeaLectio

人の体験する事物はすべて、感性に色どられる

-だからアリストテレースは言っている、

「けだし自然 (人間の自然性をも含む) は頼りになるが、資産は頼りにならない」と。

全く外部だけから襲ってきた不幸が、みずから招いた不幸よりも平然と耐えられるのは、このためである。

というのは、運命は変ることがあっても、自己の性質は決して変ることがないからだ-

ショーペンハウアー / 人のあり方について