IdeaLectio

今から六百万年前、私たちの祖先は木から下りてきた。

- 以来、人類は大半の時間を、あちこち動き回ったり、狩りと採集を行ったり、遊牧民として生活したりしてきた。

村を作って定住するという考えは新たな発明だった。

それを思いついたのは一万三千年前のことであり、それ以降、私たちは放浪生活をやめ、穀物を栽培するようになった。

だから今の私たちが時々、移動不足を幻肢痛のように感じて、遊牧生活に憧れるのも不思議ではない。

遊牧生活の記憶は旅行癖にだけ見られるわけでもない。

私たちは動物の背に乗って移動すると、心が落ち着き安心するのだ-

ペール・アンデション / 「ここではない、どこか」という憧れ

遥かな昔の自分の祖先が遊牧的な民であったかどうかは別として、人類としての共通の記憶みたいなものがあるとすれば

たしかに我々は、気の遠くなるような長い時間をかけて、この広大な世界を他の動物たちと共に彷徨い歩いてきたんだなとあらためて思う。

いつかどこかで野生のウマやゾウに出会うことがあれば、そんなことをまた思い出すかもしれない。